山の神(おじ)様。

先日山に登ってきました。
その時のお話をします。

初めて登る山で、前日に思い立って、情報などほとんど調べず登ったため、
途中地点での『現在何合目』
という表示はあるもののあと何時間かかるのか、この先の道はどんなものなのかわからず、
登山シーズンもすぎ、平日で、出発も遅めだったので全く人には会わない。

会ったのは
登山道手前にいた警備員のおじさん。
『一人か!?』
と、心配そうに声をかけてくれ、
道を教えてくれ、鈴をつけることと、暖かい格好をする事。そして、
『今日は天気いいから大丈夫。
わしは5時までここにいるからそれまでに下りておいで。』

と、おじさんは鈴を鳴らしながら私が見えなくなるまで手を振って見送ってくれました。

登山開始し、しばらくすると、
すこし冷んやりとした自然のなかで、恐怖心が出てくる。
それは一人ぼっちになった氣分で、無防備の自分が宇宙にでもほおりだされたようなそれはたいそうな恐怖心です。

体力には割りと自信があるが、呼吸も浅くなり体力もなくなってくる。
そして、引き返す理由を探しはじめる。

草木の中の動物や鳥が動き、草木がカサカサっと鳴る瞬間
『ビク!!っと』緊張、
さらに恐怖心に追い打ちがかかる。(動物からしたら、私に驚かされているからいい迷惑(笑))

フッと周りの生い茂る草木を見るとそんな私をクスクスと笑われているように思う。
私の師匠は自然と会話しながら登ると言っていたので会話してみる。

『今日は帰ったほうがいいよー』
と、その時の私には天使の声(笑)

帰りたい。
と、泣きそうになったとき、
おじさんの言葉を思い出す。

『今日は大丈夫だ。』、、、

落ち着こう。
目を閉じて深く深く呼吸して、
この山の空気を細胞にまで染み込ませました。

そして目を開けると、風が吹き、
揺れる草木は微笑んでいて、風と曲を奏でるかのように舞う。

身体は疲労がなくなり足も軽い。

さっきまでの感覚はまるでなくなっていました。

先に進み、
しばらくするとまた身体が緊張してくる。

その度に立ち止まり呼吸をする。
(おじさんのこともいつも思い出す(笑))

すると必ず狭い登山道の中にそよ風が吹き、草木が微笑む。

こんなにも私の内面の状態で見える世界は変わるのかと、同じ草でもこんなにも感じ方が変わるんだと身をもって体験しました。

もちろん山頂は素晴らしかったのですが、山頂でのお話はまたどこかでしたいと思いますp(^_^)q 

17時に間に合うようにとおもい、名残惜しいのもありつつ下山。
すると霧がでて来て、霧と共に下山し、

警備員のおじさんのところへお礼をと、
『おー!
まっとったんやー天気も悪くなってきよったし、もうすぐ5時やし心配しとったんやー』
と、
コーヒー飲むか?
水筒から少し冷めてしまったコーヒーをいただき、
わたしにとっては天使だったおじさんと(笑)『またね、』と、お別れし帰りました。

17時過ぎなのにすぐにも辺りは暗くなり、雨が少し降りました。

山にはそろそろ雪が降り、来年春先までいけませんが、
次見るあの山をさらに素敵に見れるようにもっともっと心を綺麗にして行きたいです🍂🍃

あかべー