本当の遠慮

 

着物の着付けのお仕事をしていた時のこと。

そのときは、とても予約が混み入っていたので、
早く、綺麗に仕上げるため、二人組で一人の方の着付けをしていました。

途中で、一人の人が、ちょっと襟元が曲がっていることに氣づいたのですが、
言ったら相方に悪いかなあ
と遠慮し、そのまま着付けを続行しました。

最終チェックの際、
その襟がNGとなり、着付け直しに。

氣付いてすぐにやり直せば、少しの後戻りで済んだところ、
一度着付け終わった着物を、もう一度初めから着せ付けすることになってしまいました。

ただでさえ予約が立て込んでいる上に、
余計な仕事が増え、
お客様にも無駄な時間を使わせることになってしまいました。


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相手が氣を悪くするんじゃないかと、
言うのを躊躇ってしまうことは良くあると思います。

遠慮、つまり、相手に対して、言動を控えることをしてしまいます。

けれど、
相手が怒るんじゃないか、相手が嫌な思いをするんじゃないか、
という遠慮は
結果、だれも幸せにはできません。

本当の遠慮とは、
相手の遠い将来を慮ること、
つまり、その人のとって必要なことを言葉や態度で伝えること。

それを伝えることで、
相手も成長し、自分もお客様もみんながうまくいく、
その方法を見つけ実践していくことです。


仕事をしていても、日常の些細なことでも
知らず知らず、見て見ぬふりをしてしまっていることが沢山あります。

それに氣付いたら、
後からでも、あの時どうすればよかったか、それを実行し、
次からは同じことを繰り返さない、そう決めるようにしていくと、
自分にとって相手にとって、
本当に大切なことを慮り行っていく力がついていきます。

 

遠慮して言わない

ではなく

遠慮するから言う!

 

実践していきます。

 

 

きんとうん