喧噪のなか

山でガイドをしていた頃、月に何度か調査をしていました。

植物の芽吹きや開花、結実や、鳥の鳴き声、動物の残す痕跡や…。

いろんな気づきを記録しながら朝の山を歩きました。

 

気配や匂いや音を何となく感じながら

全体が見えているような感覚で静かに歩いていくと

探そう、聴きわけよう、何か見つけなくちゃ!と躍起になるより

いろんな発見がありました。

そして、面白いことに自分のこともいろいろ感じやすくなるのです。

早朝の山道で休憩していると、山の一部になったような氣がして、

山と同じ呼吸をしたいなぁと思うことがありました

 

この調査の時の感覚がとても好きで、大切だと思っていたのに、

自然のなかでしかできないと思い込んでいたのです。

 

でも、喧噪のなかにいても、オフィスでカタカタパソコンを打っていても、

いつでもそのようにいられるように取り組んでいくと、

 

最初は気が散ってなかなか山でするようにはいきませんでしたが

続けていると、まず呼吸が楽になり、自分の内側が波立たなくなってきました。

そして全体がうまくいくといいな、という思いが自然とわいてくることも増えてきました。

 

いつ、どこにいても

この感じをつないでいきたいと思います。