教えない優しさ


子供のころ、バレエを習っていました。
バレエといえば、美しい衣装を着て、トウシューズでくるくると軽やかに舞う、
そんな姿に憧れた方も多いのではないでしょうか?


そんなバレエのレッスン。
実際やってみると、かなり地味です(;^_^A

しかも、習い始めても、しばらくはトウシューズは履かせてもらえません。


憧れていたバレエのイメージと違って、
すぐにやめてしまう人もいます。


でも、
すぐにトウシューズを履かせてもらえないのには理由があります。
まだちゃんと体ができていない子供が、トウシューズを履くのは、
リスクが大きいからです。


当時は早く履きたい!
なんで~!!
と、うずうずしていましたが、

ある程度体ができ、基礎ができて、
初めてトウシューズのレッスンができるようになる
これは、
子供たちの将来を考えた優しさなんだな、
と、後になって思うようになりました。

 

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バレエに限ったことではなく、
どんな分野でも、様々なシチュエーションで、
“教えない優しさ”というのがあるのだ
ということを
大人になってからたくさん経験しました。

当時は理解できず、
意地悪と感じたり、
理不尽と思ったりしたことも、

与えないことが、その人のためになることもあるのだと分かると、
有難いことだったんだと思えるようになりました。


何のために与えるのか、
何のために与えないのか

さらには
何のためにそれが欲しいのか

自分の行動や意識を見直すきっかけにもなりました。

 

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優しさにはいろんな形があります。


一時的な感情や満足ではなく、

自分にとって
相手にとって
みんなにとって
何が一番うまくいくことだったのか
どこまで深くとらえられるかで、
顕す形も変わってきます。

それはまるで、
何次元にも及ぶ世界に広がるパズルのようです。

無限とも思えるたくさんの形の中から
最適なピースを選ぶ

そんなパズルを楽しみながら、
深い優しさを備えた癒し人を目指していきたいと思います。

 


きんとうん