腹の力

腹の力、生命の力は、その人の活力をあげ、人の力の源、とも言えます。

 
昔から、日本人は、腹の力、というものをとても大切にしていて、腹の力がある人は、現代では、気合や迫力がある人、というように解釈されているのでは、と思います。
 
私自身も、武道で体を鍛える、練るという意識が備わる前は、あまりなじみのあることではありませんでしたが、体を鍛える、練磨する、ということを学んでからは、それがいかに大切なことなのかということを学びました。
 
 
昔の日本人は、当たり前のように、腹の力、丹田を鍛えることを日常生活の中で行っていたと言います。例えば、水汲みや、洗濯、お米を炊く、お風呂を沸かす、薪を割る、武士であれば、剣で素振りをする、などなど。日常生活から体を鍛えることが当たり前の状態だったそうです。
 
迫力のある人のことを、腹が座っている、などと呼びますが、丹田の力を鍛えると、精神も安定し、体も心も安定し、それがない人に比べると、一挙手一投足が全く違ったものになります。また、その人が言葉を発すると、それは力強く人に響く言葉ともなります。
 
 
現在の生活は、とても便利ではありますが、昔のように、日常が体を鍛えるとに使われていた時と違って、体を鍛える、錬磨するということは、それを意識して行わないと、運動不足で不健康、と言われる生活にもなってしまいます。
 
 
実際に行ってみるとわかりますが、腹の力と違って、肩力や筋肉の力は、無意識的に使ってしまいがちですが、それだけだともろく、表面だけの力なので、疲れやすく、使い方を間違えると故障したり、ケガをしたりします。
 
 
腹からだす力は、全身をうまく使うものなので、力強く、全身のバランスをとるのにとても適した力です。
 
 
常にそこから力をだして、そこから動かすことができれば、メンタルも力強く、心も力強くいることができます。
 
それは、生涯、煉り続けていく、とても大切な錬磨の意識でもあります。
 
 
 
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