それゆけ出っ腹!

小さい頃の記憶。

私は小さい頃から男女関係なく身体が人一倍大きく自由自在に身体を動かせた。

だから、よそ見しながら走っても一番。
跳び箱も何段も高くても軽々で、
両足を首に引っ掛けることなんてやってみたらすぐできた。
なんでみんなそんなに頑張ってんのかできないよかわからないくらいだった。


小学校に入り、
ある体育の時間。

お友達と組みになって逆立ちの練習で、足の持ち合いをした。


私は問題なく彼女の足をもつ、

彼女は確かわりと小さい子で、あまりにも私の蹴り上げた足の勢いが強すぎて持てずに手がすくんでしまった。

案の定、私のなんの疑いも持たずピンっと張られた全身は、一瞬至福の天地の逆さを味わったと思っが一瞬で、勢い良く反対に倒れ全身強打し
た。

一瞬時が止まり、
何十年生きて来た中のあの何秒かは生きていないし、きっとその何秒かは実際より若いはずだ。

それからだ。
顕在的に人をどこかで信用できないと思いながら生きているのは。


いつかは裏切られると、腹の奥で恐怖に怯える自分がいる、


武道ではそれがもろに出る。
宗家は初めから私に腰が引けることを直すように指導してくださっているが、

目の前に人が来ただけで腹の中の少女が背中を向けお腹を引っ張る、
それでもいけ!と飛び込むことができるようになったのは武道をやり始めてからだけど、

行ったとて衝突事故のようにぶつかるだけだ。

稽古中にたまたま
この話をみかんにしたとき、
「わたしなんてそんな事何度もあるよ(笑)」
と、あまりに爽快に笑い飛ばしたから、
それは超脳天気みかんだからだろ!と思ったけど、
正直、人によっては些細な一コマをここまで引きずって人生棒に振ってるのも変な話だ。


その日の稽古後で、かつての紫音ちゃんが、カラオケが嫌いなのは小さい頃に音痴だと言われたことからだと言っていた。

私なんていつでも歌手になれるように即興で曲を作って録音してたくらいだ。
大人になりたまたま聞いたその歌は子供だから可愛いとも言えないほど酷いもんだった。

いつも楽しい事大好きな紫音ちゃんがあんなにいやがってるなんて。


今は想像つかないけど、
楽しく歌う紫音ちゃんはとっても魅力的な氣がする。

脳天気みかんにいつものように馬鹿にしてもらい、
紫音ちゃんに勇気をもらって、きっと変わることを望めば、挑めば変われる氣がする。

それでもそれでも、
知らぬままが良かったと肩は落ち、今も癒すことを考えるだけでも虫酸が走るが、
知ってしまったから。
やるしかない。

な!


ね、
紫音ちゃん。(⌒▽⌒)

あかべー