虹を見ました

夜が明けたばかりの静かな朝、
シトシトと雨が降りはじめました。
段々雨脚が強くなり、ものの5分でザンザン降りに。
でもその雨は10分程度で止みました。

雨が降っていたのは、たったの10分。にもかかわらず、私はちょうどその時、外にいたのです。傘を持っていなかった私は、しだいに大粒になる雨に濡れ、
思わず「ちぇっ」

軒下に入り、雨宿りをさせてもらいました。
「そういえば、雨宿りなんで何十年ぶりだろう・・・」
しばらく目を閉じて、雨の音を聞き、雨のにおいを嗅ぎ、濡れた肌を感じました。
心が落ち着き、目を開けると、

空に大きな虹がかかっていました。

—勝手に不都合と思っているのは、自分なんだ。
もう、文句を言うのをやめよう—

雨が止んだばかりの、曇り空にかかった虹を見て、そう思いました。