秋の夜長

物語を書かれている方のカウンセリングを
することになりました。
祈っているとお話が浮かんだので
秋の夜長、あおさも書いてみます(^^)

あるところに探し物をしている女の子がいました。
「お嬢ちゃん、何を探しているのかな? 」
通りかかったひげのおじさんは、女の子に尋ねました。
「分かち合う楽しさや喜びを落としてしまったの。」
女の子は言いました。

女の子はお友だちといても、いつも孤独を感じていました。楽しく話していても、どこかで楽しくしなくちゃ、と考えてしまうといいます。

ひげのおじさんはニコニコしながら
近くの切り株に腰を下ろしました。

やがて女の子も探し疲れて隣に腰を下ろしました。
「見つかったかい?」
おじさんは尋ねました。

女の子は
「ホントはね、どんなカタチか知らないの。
どんな色をしているか知らないの。
落としたんじゃないかもしれない。
はじめから持っていなかったのかもしれない。」
悲しい顔のままうつむきました。

おじさんは話はじめました。
こども向けの青い鳥に似たお話でした。
女の子は目を輝かせて
「おうちにあるの?わたし帰るね!」と言いました。

おじさんは、立ち上がった女の子に言いました。
「慌てなくとも、それはお嬢ちゃんのなかにあるんだよ。幾重にもベールがかかっていて見えなくなっているだけじゃよ。」

女の子は驚きました。
「ホント?」

ひげのおじさんはニコニコしています。

つづく