見守られて

1月のある日
「手術するの、4月まで様子をみることになったよ。」

笑顔で彼が言った。

予定では12月か1月に3回目の手術をするとお医者さんから云われていた。
なかなか連絡がないので自ら予約を取り緊張した面持ちで病院へ行ったのだが、嬉しそうな顔で帰ってきた。

去年の11月
手術すると決まった日の彼は猛獣のように家族全員に噛みついた。
みんなの心をズタズタにした。

その事をきゆるぎの仲間に話した。
ふーんと聞きながら、その瞬間から彼と私を見守ってくれた。

その優しさに私が救われた。そして彼も尖った心をよしよしとみんなに撫でてもらい、穏やかになっていった。
生きる氣力を持ち直したようだ。

12月
頑なだった心がみんなのおかげで解け出したら宗家の治療に通うようになった。
久々の治療は仲間からのクリスマスプレゼント。
宗家の治療は云うまでもなく素晴らしく、彼をリラックスさせ前向きにして落ち着きを取り戻していく。
弾んだ声になった。

私も彼の病気と向き合うと決心した。
食事の支度から心地よい場所づくりを心がけ祈った。

だんだんに、彼曰く心の中で言っていた「ありがとう」「ごちそうさま」を言葉で伝えてくれるようになった。

彼の前向きな気持ちが頑固親父を変えていった。

そして4月
電話で問いかける私に
「今回も大丈夫だった。」
と穏やかな声で答えた。

まだ、現状維持の段階だが手術が決まっていたのに延期になるのは珍しい。

昔から「病は氣から」という。
彼が自分でつくってしまった瘤を小さくすることはできる。
体は良くなろうとしているのだから。

彼の病気のおかげでたくさんの気付きがあった。

私ができることは、いつものように機嫌よく笑顔でいること。

宗家や仲間、病院の先生方やたくさんの人たちに支えられて、ここまでこれたのだと感謝の気持ちが溢れてくる。

これからも笑顔と感謝を忘れずに、たくさんお勉強させていただきますー(^^)

ちなみに、彼は私より宗家の治療に通っていまーす〜
いつも、気持ちよく寝てしまうといっておりましたぁー(^^)

紫音