一生懸命に打ち込む

今のように、とても暑い夏の時期、私は、学生時代、武道の部活で練習をしていました。夏の大会に出場する為、夏休みになると同時に大会前に夏合宿に参加もしていました。


稽古は普段、学校の体育館で行っていたのですが、夏の大会前の練習は、朝と夕方に学校の中庭に芝生があり、その中庭を借りて練習を行っていました。


いつもとは違う外での練習は、土や芝生、木の根の木陰で練習を行い、土や草の匂い、蝉の鳴き声などが、暑い夏ではありましたが、心地よくもありました。


昼間以外は一日中外にいるために、練習の合間、夕方になったら、夕暮れの空を、夜になったら、田舎だったために、星空も見えていたので、星を眺めて、自然を楽しみながら、大会に向けての練習をしていました。


ある暑い夏の稽古の時、みんなの前でそれぞれの組が組手を行う、組手の模擬大会が行われました。

当時、組手の上手い、先輩方の試合での様子を見学し、その迫力に興奮したのを覚えています。その時、今度の大会はきっと優勝できる、と思いました。
私達の武道を教えて下さるベテランの監督もその模擬大会の様子を見ていました。


模擬大会について、監督は、暑い中、みんなよくよく頑張っている、と褒めていただき、(先輩方の)組手が素晴らしかった事も褒めていただきました。また、青空の下、自然の下で私達一人一人は、小さな存在でしかないですが、自然を感じながら、一生懸命に打ち込んでいる今はとても素晴らしい。その気持ちを持ちながら、がんばっている私達はとても強い。
優勝を目指して打ち込んだ熱い思いは、一生の宝です。今の思いを忘れないでください。そのような話しをされていました。


その年、私達の武道部は、夏の大会で優勝することができました。



一生懸命に打ち込んだ事からは多くの事を学ぶことも、得ることもできます。努力することも、結果をうまくだすことができたのかどうかも。
もし、結果を出す事ができなかったら、何が違ったのか、何を変えたらよいのか、試行錯誤することもできます。


また、一生懸命に壁を越えようと、がんばったものからは、自分なりの答えや学びを見つけることができます。それは方法だったり、理論だったり、時には内側からくる思いだったり。そしてそこから得たものは、自分自身の内側から湧いてくる言葉や思いです。

内側から自然と湧いてくる思いは自分自身も周りも動かす、人生を進める力となります。

          eye