ひとつになる

躰術の稽古している時の事です。
仲間の一人と一つの型を同時にやり、「相手と呼吸を合わせる」という稽古に取り組んでいました。

体型も性格も、これまで生きてきた経験も違う私達。
繰り返し試みてみても、バラバラで上手く呼吸が合いません。

「私は間違ってないのに、なんで、いつもそこでヘマするかなー」「こっちのペース合わせてよ!」「それ間違ってない?」文句が出てきました。

そこで私達は、「相手は自分の内側を映し出してくれている鏡」と自覚し合いました。

すると、
合図をしたり、相手の動きを目で見た訳でもない。
自分のやり方を押し通す事も、相手に無理に合わせる事もしない。

なのに、相手の呼吸の速さも深さも、
例えば、腕を伸ばす時のちっちゃな癖も、体の使い方やリズムも、性格や生き方までも、とにかく相手の存在全てを受け入れる事ができたのです。

そして、自分の事も同じ様に伝わったという確かな感覚。


ピタリと二人の呼吸が合いました。

二人がひとつになったのです。


人見知りで内弁慶だった私が、人とこんなに深くつながり分かり合う事ができるなんて、それはとても大切な宝物の様な体験です。

「みんなつながっている」
いつも、この感覚に戻ってきます。


みどりん